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フランク・ロイド・ライトが残した、自然と人生にまつわる言葉たち

2019年7月に、フランク・ロイド・ライトが手掛けた米国の8つの建築物が世界遺産に登録されました。登録された「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」には、落水荘(Fallingwater)、ジェイコブス邸、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館など、ライトの70歳前後の代表作も含まれています。高齢になっても叡智に磨きをかけた、フランク・ロイド・ライトの言葉のいくつかをご紹介しましょう。

“自然という本を読み解きなさい。”

フランク・ロイド・ライトは、人間と自然との調和を目指す「オーガニック建築」の提唱者としてよく知られています。ライトの建築物の木造の美しさの秘密を知るためには、彼が記したこの言葉がヒントとなるかもしれません。

本当の意味の自然から学ぶことが重要です。
樹木や花、貝の形の機能美の真実に目を向けてください。
それらの形を真似るのではなく、生き生きとした根本的な原理を読み取るのです。
そうすることであなたは、木で建物を造ること、建物を木にする目的について深く理解することができるでしょう。

グッゲンハイム美術館の「かたつむりの殻」の螺旋状構造は、自然の造形のエッセンスをライトが抽出したものと考えられます。

エアコンに頼らない

ライトは、自然環境と調和した家を建てることを一貫して追求した建築家です。 自著「The Natural House」の中で、こうエアコンを批判しています。

エアコンというのは危険な環境です。
自分のための特別な人工的な環境で過ごすより、自然の気候とうまく付き合うことの方がはるかにいい。
気候は人間にとって意味のあるものとして、その中で過ごす人の人生に影響を与えます。
自然は身体を柔軟にし、個人の人生をいつも環境と状況に適応できるようにしてくれます。

ライトの生きた時代では、地球温暖化問題は深刻ではなかったでしょう。残念ながら現在では、エアコンに頼らない生活は現実的ではなくなりました。サステナビリティをいち早く建築に取り入れたライトが生きていたら、今の地球環境に怒りが収まらないのではないでしょうか。

年齢と飲み物について

1950年代に、89歳でニューヨーク・タイムズ紙にインタビューされたライトは、夕食前にアイリッシュウイスキーを飲む習慣や飲み物についてこう言葉を残しています。

50歳前に飲酒する男は愚か者で、それを過ぎて飲まない男も愚か者。

コーヒーは身体の糧。 紅茶は心の糧。

また、ライトは歳をとることについて力強くこう述べています。

長生きすればするほど、人生はより美しくなる。

詩に感謝を

ライトは、建築家を含むすべての天才は詩人であると見なしていました。 彼は論文の最後で、米国社会に詩人がいないことをこう批判しています。

アメリカには絶対的に詩人が必要です。
この国には、十分な投資家と十分な自動車修理工、十分なジャーナリストや教えられたことだけを教える十分な数の教師、そして十分な賃金奴隷がいます。
どんな立場にあってもビジョンのある人、わたしが詩人と呼ぶ人がいなければ、これらの人々は魂の抜け殻になってしまいます。
人は忍び寄る恐怖にも鈍感になることでしょう。

利己的な営利主義者や、教えられたことだけを教える教師、会社から命令されたことを何も考えずに実行する労働者、選挙で勝つことを至上命題とする政治家に欠けているもの。それがライトの言うビジョンであり、現代も状況は変わっていないということです。

他人のアドバイスに頼りすぎないこと

ライトは若い建築家にアドバイスを惜しまない積極的なメンターでした。一方、自身は他人のアドバイスにはあまり重きを置いていなかったようです。ライトは1900年に公開された建築の講義でこう述べています。

アドバイスというのものには言葉に見合うだけの価値はありません。
それでもアドバイスは良いものに違いありませんが。

Via:
en.wikipedia.org/wiki/Solomon_R._Guggenheim_Museum
en.wikipedia.org/wiki/Fallingwater
mentalfloss.com