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フランク・ロイド・ライト・トリビュート

フランク・ロイド・ライトの功績

フランク・ロイド・ライトは、アメリカで活動した建築家である(1867年6月8日生 – 1959年4月9日没)。没後60年を経た2019年7 月に、8作品が「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」としてアメリカの世界遺産に登録された。ライトは19世紀末〜20世紀初頭より勃興していた新しい経済や工業化社会に適合した合理的建築、”近代建築”を実践した建築家の一人として世界に知られ、ル・コルビュジェ、ミース・ファン・デル・ローエとともに近代建築の三大巨匠の一人に数えられる。

ライトの顕著な特長は、終生一貫して、より豊かな人間性の保証に寄与する建築、つまり『有機的建築』の理想を追求し続けたことである。『普遍的な形である自然の姿に学び、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするようにデザインすること』の重要性を唱え、生涯に1191にものぼる作品を遺し、その内の460作品が実現された。

また、ライトは自国・アメリカを愛し、ヨーロッパとは異なるアメリカの国土や文化に合った独自の建築を作ることに情熱を注いだ。そのためライトの功績は今もなおアメリカ人に広く支持されている。今回の世界遺産登録はこうした人々の思いも背景にあるのであろう。

ライトのDNAを引き継ぐものたち

今となっては揺るぎない評価と賞賛を受ける存在だが、がむしゃらに設計に向かっていたその当時は、ライトは伝統的な建築手法から離れ、新しい暮らしを提案し続けた、住まい方の革命家でもあったことに相違ないだろう。生涯を通して成功と不遇の時期を経験しながら自分の思想を貫いた、ライトの革新的、かつ人の生活の本質を捉えた思想に、刺激を受けた人は数知れない。

このWebサイトは、建築の領域のみにとらわれず、ライトに影響を受け、彼のDNA=思想を自ら引き継ぐクリエーターたちの活動を追いながら、社会・家族、住まいの価値が変わりつつある今の時代に、ライトから引き継いだものを私たちがどのように生かしていくべきかを考えていく。

 

“The making of a good building, the harmonious building, one adapted to its purposes and to life, [is] a blessing to life and a gracious element added to life, is a great moral performance.”

調和のとれた、住む人の目的と生活に適応する優れた建物を造ることは、人生を賛美し、人生に優雅さを与える、極めて道徳的な行為である

文献参考:フランク・ロイド・ライト財団
https://franklloydwright.org/